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インタビュー~世代を超えて楽しんでいただくために~

動カート活用の先進地、のこのしまアイランドパークの挑戦

博多湾に浮かぶ、周囲12kmの島「能古島(のこのしま)」は、万葉集にも詠われ、作家壇一雄が晩年終の棲家を構えたことでも知られています。

能古島から博多湾越しに望む
ももち浜の建物の近未来的なシルエット

福岡市の郊外、姪浜の渡船場からフェリーに乗りわずか15分で、海と山に囲まれた緑豊かな島にたどり着けます。島から対岸に臨むももち浜の近未来的な建物のシルエットとは対照的ですね。

渡船場からアイランドパークまでは西鉄バスが運行されており、山道を抜け約13分で高台のアイランドパーク前へ到着です。

折りたたんだR30をバス車内へ。
コンパクトだから車内に置いても邪魔になりません。

開園50周年を迎える自然公園「のこのしまアイランドパーク」

初夏にはつつじが咲き誇る
アイランドパークは都会人を癒す自然公園です

能古島を代表する観光地「のこのしまアイランドパーク」は、創業者、久保田耕作氏の「都会の疲れた人を、豊かな自然の景観で癒したい」との熱い信念の元、昭和44年(1969年)に開園し、今年で開園50年を迎えます。

パーク入り口では、灯台キャンプ村の造成に大活躍したオート3輪が出迎えてくれます。

ここは、博多湾を背景にした緑豊かな丘陵に、1年を通してさまざまな花を楽しめるお花畑が整備された「自然公園」です。小さなお子様連れからおじいちゃん、おばあちゃんをはじめ、最近では海外のお客様にも愛される、人気のスポットになっています。

「世代を超えてパークを楽しんでもらいたい」
と語る久保田晋平社長

パーク入り口で、待っていただいていた久保田晋平氏は、創業者の息子さん。スタッフジャンパーを着て優しい目をした、気さくな感じの社長さんです。本日は久保田社長に多数の電動カートを導入されたいきさつや、お客様からの評判などをお訊ねします。 場所を移して、パークで一番大きなお花畑横のレストランで久保田社長のお話を伺いました。

ある時、パーク入り口でおばあさんが「私はここで待っとうけん、行ってきんしゃい」と子供連れの家族を見送っている場面に出くわしました。「3世代・4世代と、世代を超えて家族一緒にアイランドパークを楽しんでもらいたい」との思いから、何とかしようと思いました。偶々デモ機を安く譲ってもらえることになり、トヨタ製の3台の電動カートをはじめて導入しました。1998年ごろでしたね。翌年ディスカウントストアの閉店セールで安く販売されている電動カートを2台購入しましたが、思いのほか早く壊れました。それ以降は信頼できるメーカーのものを揃えて買うようにしています。部材や部品が壊れたときに、使い回すことができるからです。

昔懐かしい町並みの「思い出通り」

大感激してくれたおじいさん

パークに来られた老夫婦は、車いすに乗られたご主人と、支え介助されている奥様でした。奥様は体力もなく大変そうでしたので、電動カートをご案内しました。 奥様と電動カートでパークを楽しまれたおじいさんは、今までは介助されている奥様への気兼ねもあったのでしょう、「電動カートだと、こんなにも楽に自分の思い通りに動けるとは思わなかった」と大喜びされ、その後、毎週のようにパークに来られ、電動カートで散策を楽しまれていました。

大活躍している電動カート

現在では13台ほどの電動カートを導入しています。行楽シーズンのピーク時にはフル稼働しており、お客様にはご好評いただいています。最近は外国からのお客様が、面白がって乗りたいと言われますが、足の弱い方を優先し、余裕のある時だけお貸出ししています。

電動カートへの苦情はあまりないですね。バッテリー上がりなど「途中で止まる」トラブルは、たまにあります。その時はスタッフが駆けつけ、代わりのカートに乗り換えていただいています。

入り口に準備されている電動カート

電動カートの運用は、お客様からのお申し出以外にも、スタッフから足の弱そうな方へご案内することもあります。乗り方を説明すると、ご納得して乗っていただけますが、中には「私には乗れない」と遠慮される方もいらっしゃいます。そういった場合は同行の方に操作方法をご案内して乗っていただくこともあります。

料金は終日ご利用で500円です。あわせて同意書に署名いただいています。電動カート単独での保険には入っていませんが、パーク全体での損害賠償保険には加入しています。今まで、特に大きなトラブルは起きていませんね。

パークでは1年中花が咲いています

ご家族一緒に楽しんでいただくために

現在、年間で15万人のお客様にご来場いただいています。電動カートを多数用意していることは、特にアピールしていませんが「のこのしまアイランドパーク」には電動カートがある、と分ってもらえているようですね。小さなお子様連れのためにベビーカーも準備していますし、同じように電動カートも揃えています。3世代・4世代と世代を超えてご家族一緒にパーク内を回って楽しんで欲しい、その思いから電動カートの導入にも取り組んできました。これからも、お客様に楽しんでいただくために、出来ることをやって行きたいと考えています。

パーク内には多目的トイレも用意されています

インタビューを終えたあと、「車で行けば次の船に間に合うから」と、久保田社長に渡船場まで車で送っていただきました。

私たちは町のレンタサイクル店でも気軽に電動カートが利用できる未来を思い描いています

渡船場横の道の駅ならぬ「のこの市」を取材しました。レンタサイクル店に、電動カートレンタルの可能性についてヒアリングをしたところ、「一般公道での電動カートレンタルは交通事故などのリスクが大きくて、今のところ考えられない」とのご意見でした。

電動カートは法律上、歩行者扱いとなり一般公道でも使える乗り物です。社会一般での理解を進めるためにも、リスクヘッジや安全対策については、もっと研究を進めていく必要がありそうです。

久保田社長のお話を伺って、「ご家族一緒にパーク内を巡って楽しんでもらいたい」との思いが強く伝わってきました。私たちの「電動カートで家族の笑顔を広げたい」に重なる思いでもあり、これからの大きな挑戦に望む勇気を与えていただいた気がします。本当にありがとうございました。